結論:契約名ではなく、雇用主・指揮命令・就業地を先に確定する
海外企業が日本または韓国で人材を確保するときは、EOR、業務委託、派遣という名称から選び始めるべきではありません。誰が雇用契約を結び、誰が日々の業務を指示し、どの国で通常勤務するのかを先に確定します。この三点が、適用される強行法規、必要な許可、給与・社会保険と税務の実務を決めます。
日本:顧客が指揮命令するなら労働者派遣
- 日本法に『EOR』という独立した許可区分はありません。供給元が雇用し、顧客が日々の指揮命令を行う実態は労働者派遣であり、供給元には労働者派遣事業許可が必要です。
- 無許可派遣、期間制限違反、偽装請負等を受け入れた場合、労働者派遣法第40条の6により、派遣先が同一条件で直接雇用を申し込んだものとみなされることがあります。
- 派遣受入れには事業所単位と個人単位の3年ルールがあり、延長や配置管理は契約締結後も継続的に必要です。
韓国:外国企業でも韓国で通常働く人の強行的保護を外せない
韓国雇用労働部は、準拠法を選択しても、労働者が通常労務を提供する国の強行規定による保護を奪うことはできないと案内しています。適用判断では勤務場所、指揮命令と賃金支払の主体、労務の実質的な受領者などを総合的に見ます。外国企業が契約当事者であることだけで韓国労働法を回避できるわけではありません。
- 労働条件は書面で明確化し、賃金、労働時間、休日・休暇、退職時の手続を韓国法に照らして管理する。
- 韓国の労働基準法は原則として常時5人以上の事業場に適用されますが、賃金、休憩、週休日、解雇予告等の一部規定は4人以下にも適用され得ます。
- 外国人材は職務に合った在留資格が必要です。E-9等の雇用許可制度対象と、専門職の在留資格を混同しないことが重要です。
- 外国人も原則として健康保険・国民年金・雇用保険・産災保険の対象となりますが、国籍、相互主義、在留資格による例外を個別確認します。
二市場共通の調達チェックリスト
- 契約法人と、派遣・職業紹介等の許可保有法人は一致しているか
- 現場で日々の指示を出すのは顧客か供給者か。契約と実態は一致しているか
- 雇用契約、給与計算、源泉徴収、社会保険、労働時間記録の責任者は誰か
- 外国籍人材の在留資格を誰がいつ確認するか
- 個人情報を国境を越えて共有する場合の目的、範囲、保管とアクセス権限を定めたか
TACが支援できる範囲
日本では Tech Alliance株式会社が労働者派遣事業許可 派13-318670 と有料職業紹介事業許可 13-ユ-317654 を保有し、採用、派遣、紹介予定派遣、給与・労務実務を支援します。韓国では採用、エグゼクティブサーチ、人材マッピングと現地専門家を含む実行体制の設計を支援します。案件ごとに就業実態を確認し、できることを具体化します。
本記事は一般的な情報提供であり、法律・税務上の助言ではありません。実際の契約、在留資格、社会保険、税務は、日本または韓国の弁護士、社会保険労務士、労務士等の専門家に確認してください。